ドラえもんの絵描き歌!歴代歌詞の違いや描き方のコツ・誕生秘話を解説
幼い頃、紙と鉛筆を握りしめながら「まるかいてちょん、まるかいてちょん……」と口ずさんだ記憶は、世代を超えて多くの日本人の心に刻まれています。1979年のテレビアニメ放送開始とともに広まった「ドラえもんの絵描き歌」は、誰もが一度は通る国民的ソングとして、2026年の現在に至るまで親子2世代・3世代にわたって親しまれ続けています。
しかし、大人になって改めて振り返ると、「なぜ6月6日なのか?」「UFOがあっちいってこっちいって……とはどういう意味だったのか?」といった疑問や、大山のぶ代さん時代と水田わさびさん時代におけるアレンジの違いなど、意外と知られていない謎が多く存在します。本稿では、絵描き歌の正しい手順から歌詞に込められた制作秘話、誰でもバランス良く描ける実践的なコツまでを深掘りして解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「まるかいてちょん」から始まる歌詞は、目・鼻・ヒゲ・手足・首輪・鈴を正確な描画ステップ順に落とし込んだ機能的構成。
- 要点2:大山のぶ代版の素朴な温もりから水田わさび版のポップな編曲まで、基本歌詞を守りつつ時代に合わせた進化を遂げている。
- 要点3:「6月6日」は両腕を描くための幾何学的必然性から誕生し、パーツの比率を意識することで失敗せず上手に描ける。
【歌詞と書き順】「6月6日にUFOが」懐かしいフレーズで辿る描画ステップ
ドラえもんの絵描き歌(作詞:楠部工/補作詞:ばばすすむ/作曲:菊池俊輔)は、歌のフレーズそのものが直感的な描画インストラクションになっています。まずは基本となる歌詞の流れと、それぞれがドラえもんのどの部位を形成しているのか、正しい書き順をおさらいしてみましょう。
【ドラえもん絵描き歌の標準的な歌詞と描くパーツ】
- 「まるかいて ちょん まるかいて ちょん」 ⇒ 左右の目(白目と黒目)
- 「お豆に芽が出て」 ⇒ 丸い鼻とそこから伸びる縦のライン
- 「植木鉢 植木鉢」 ⇒ 左右のヒゲ(3本ずつ)
- 「6月6日に」 ⇒ 両側の腕(数字の「6」を左右対称に描く)
- 「UFOが あっちいって こっちいって 落っこちて」 ⇒ 頭の輪郭と顔の境界線を描き、下へつなげる
- 「お池がふたつ できました」 ⇒ 左右の丸い足
- 「お池にお舟を 浮かべたら」 ⇒ お腹の四次元ポケット
- 「あさがお咲いたよ まどあいて」 ⇒ 首輪と鈴(あさがおの形から鈴へ)
- 「あっというまに ドラえもん」 ⇒ 完成!
このように、中心にあるパーツ(目や鼻)から外側(輪郭・腕・足)へと視線と筆を広げていく構成は、子どもの空間認識能力の発達にも極めて適したロジカルな設計となっています。
【歴代の違いを比較】大山のぶ代版と水田わさび版で何が変わった?
1979年から2005年春までドラえもんの声を担当した大山のぶ代さん版と、2005年4月の声優交代以降に親しまれている水田わさびさん版では、楽曲の雰囲気や演出に興味深い差異が存在します。
昭和から平成中期にかけて放送された大山版は、菊池俊輔氏によるアコースティックでどこか懐かしいマーチ調のサウンドが特徴です。大山さんのハスキーで包容力のある歌声が「さあ、いっしょに描いてみよう」と語りかけるように響き、当時の子どもたちに絶大な安心感を与えていました。
一方、水田わさび版へのリニューアルにあたっては、テンポ感がややアップテンポになり、現代的なデジタルサウンドやブラスセクションを取り入れた快活なアレンジへと生まれ変わりました。アニメ本編の映像演出でも、デジタル作画ならではの滑らかなペン運びとカラフルな背景アニメーションが採用され、視覚的な楽しさが倍増しています。
興味深いのは、歌詞の根幹となる言葉選びは一切改変されていない点です。時代が移り変わり、アニメーションの制作環境がセル画からフルデジタルへと劇的に変化しても、子どもたちが紙の上で描く体験そのものは不変であるという制作陣の敬意がうかがえます。
【誕生秘話】なぜ「6月6日」で「UFO」なのか?制作陣の驚くべき発想
子どもの頃、多くの人が抱いた「なぜ急に6月6日が出てくるのか?」「なぜUFOなのか?」という疑問。この謎を紐解くと、当時の制作現場における秀逸なアイデアが浮かび上がってきます。
作詞を担当した楠部工氏は、シンエイ動画の創業者である楠部三吉郎氏の長男であり、当時まだ若き感性でアイデアを出していました。ドラえもんの丸い手を左右に表現する際、数字の「6」の丸い部分を手、そこから伸びる曲線を腕に見立てることで、数字を習い始めたばかりの幼児でも左右対称の腕が描けるという画期的な手法を編み出したのです。反対側の腕も鏡文字のような「6」を描くことで、一瞬で両腕が完成します。
さらに「UFO」というモチーフは、1970年代後半のオカルト・SFブームや『未知との遭遇』の大ヒットなど、当時の子どもカルチャーを色濃く反映しています。頭の大きな丸い輪郭を一筆書きのようにぐるりと描きながら、下部へと着地させる動きを「UFOの不規則な軌道と着陸」になぞらえたことで、描く動作そのものにダイナミックな物語性が生まれました。
【プロ直伝】歪まず可愛く仕上げる!ドラえもん絵描き歌の「描き方のコツ」
「歌に合わせて描くとなぜか顔が長くなってしまう」「タヌキのようになってしまう」という大人の声も少なくありません。ドラえもんを黄金比率で可愛らしく仕上げるための3大ポイントを整理しました。
1. 「まるかいてちょん」は中央上部に小さく寄せる
最大の失敗要因は、最初の目を大きく描きすぎることです。目の位置は全体の中心よりやや高め、2つの目を隙間なくピッタリくっつけて小さめに描くのがコツです。
2. 「植木鉢」のヒゲは放射状に引く
ヒゲを描く際、平行に引いてしまうとドラえもんの立体感が損なわれます。中央の鼻から外側に向けて、やや下がり気味の放射状に3本ずつ描くことで、丸いほっぺたのふくらみが自然に表現されます。
3. 「UFO」の軌道で真円を意識する
輪郭を描くフレーズでは、楕円(縦長や横長)にならないよう、頭頂部をしっかり大きく取った真円を意識してペンを走らせます。青い頭部と白い顔の境界線(頬のカーブ)をゆったり広めに取ることで、愛らしい表情に仕上がります。
【楽譜とメロディ】シンプル極まる名曲!菊池俊輔サウンドの構造的魅力
音楽的な観点から見ても、ドラえもんの絵描き歌は極めて完成度の高い童謡です。作曲を手掛けたのは、『ドラえもんのうた』をはじめ『仮面ライダー』『ドラゴンボールZ』など無数の金字塔を打ち立てた巨匠・菊池俊輔氏です。
楽曲のベースはシンプルな4分の4拍子・ハ長調(C major)で構成されており、使われている音域も1オクターブ前後に収まるため、幼児でも音程が取りやすく歌いやすい配慮がなされています。ピアノや鍵盤ハーモニカ、リコーダーの初心者向け練習曲としても長年テキストに採用されてきました。
「まるかいて ちょん」のリフレインによる一定のリズムから、「あっちいって こっちいって」の下降音階によるスピード感、そして最後の「あっというまに ドラえもん」で主音へと心地よく解決する展開は、音楽的な快感と描画の完了が見事に同期するよう計算し尽くされています。
【ドラえもんの絵描き歌】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ドラえもんの絵描き歌にはドラミちゃんバージョンもありますか?
A1:はい、存在します。『ドラミちゃんのえかきうた』(歌:よこざわけい子/現在は千秋版も)が制作されており、「リボンをつけて」「いちごがふたつ」などドラミちゃんの特徴を捉えた可愛らしい歌詞で人気を博しました。
Q2:公式な書き順通りに描かないと上手くいかない理由は?
A2:内側のパーツ(目・鼻・口)から外枠(輪郭・手足)へと広がる構造になっているためです。外枠から先に描いてしまうと、パーツが中心からズレたりサイズ比率が崩れやすくなります。
Q3:現在のアニメ放送でも絵描き歌は流れていますか?
A3:レギュラー放送のエンディングとして毎週流れているわけではありませんが、誕生日スペシャルや知育関連の特番、公式YouTubeチャンネル「ドラえもんチャンネル」などで定期的に配信されており、令和の子どもたちにも親しまれています。
まとめ:世代を超えて愛され続ける「ドラえもん絵描き歌」が遺した文化的価値
白い紙と鉛筆さえあれば、道具を選ばず誰でも笑顔でキャラクターを生み出すことができる「ドラえもんの絵描き歌」。それは単なるアニメの挿入歌という枠組みを超え、日本のグラフィック文化と音楽教育が融合した奇跡的なコミュニケーションツールです。
デジタルネイティブの時代になっても、親子で膝を突き合わせ、歌いながらひとつの絵を完成させる体験の温もりは色褪せません。久しぶりにノートを開き、あの懐かしいフレーズを口ずさみながら、自分だけのドラえもんを描いてみてはいかがでしょうか。 (出典: ドラえもん 絵描き 歌(Yahoo!ニュース))